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2024.12.13
【お知らせ】蹴上浄水場に新設備を納入
粉末活性炭注入設備「カーボジェット®」導入で浄水処理の効率化を実現
水inエンジニアリング株式会社(社長︓須山晃延、本社︓東京都港区)は京都市上下水道局より受注した「蹴上浄水場 粉末活性炭注入設備設置工事」を2024年9月30日に終え、11月12日に設備に関する説明パネルを設置したことをお知らせします。
写真︓ドライ粉末活性炭注入設備 カーボジェット®
本事業の背景と特徴
蹴上浄水場(京都市東山区)は、1912年に給水を開始した国内最初の急速ろ過式浄水場です。京都市の水源である琵琶湖では、プランクトンの増殖が原因でかび臭等の異臭が発生しており、通常の浄水処理では除去できない臭気物質を原水の中から取り除くため、粉末活性炭による吸着除去処理を行っています。
従来の粉末活性炭注入設備は、50%ウェット状の粉末活性炭を紙袋から直接溶解槽へ手作業で投入・溶解しており、作業者の負担が大きいという課題がありました。そのため、近年、中規模以上の浄水場では、粉末活性炭設備の作業環境向上の点から、50%ウェット状の活性炭から水分を5%程度しか含まないドライ状の活性炭を採用するケースが増えています。
今回設置した当社開発のドライ粉末活性炭注入設備「カーボジェット®」は、活性炭貯蔵槽に貯蔵された粉末活性炭を沈砂池や着水井へ注入し、異臭味原因物質を除去する設備です。粉末活性炭を完全密閉された状態で直接移送・注入できるため、粉塵の飛散を防ぎ、作業環境を改善します。このような高い維持管理性が評価されたことから、浄水水質改善対策技術として「カーボジェット®」が採用されました。
当社グループは、上水・下水における様々な製品・技術・サービスを有する「水」のトータルソリューション企業として総合力を活かし、今後も水インフラの持続・発展に貢献してまいります。
工事概要
工事名
蹴上浄水場 粉末活性炭注入設備設置工事
工事内容
粉末活性炭注入設備(2基)設置に伴う機械設備工事、電気設備工事、場内整備工事、建築電気設備工事
事業者
京都市上下水道局
処理フロー
琵琶湖→取水池→粉末活性炭接触池→凝集沈殿池→急速ろ過池
発注方式
設計・施工分離方式
入札方式
一般競争入札
浄水場施設能力
198,000㎥/日
契約金額
825,105,000円(税抜き)
契 約 日
2022年11月9日
工事期間
2022年11月10日~2024年9月30日
写真︓11月12日に設置した説明パネル
ドライ粉末活性炭注入設備カーボジェット®について
カーボジェット®は、「活性炭貯蔵槽」「定量供給機」「空気混合槽」「吸引撹拌機」で構成された、ドライ炭を直接注入する粉末活性炭注入設備です。移送における運転性・維持管理性に優れ、また、従来方式に比べ電動機等の動力負荷が少なく、省エネルギー性を実現します。
図︓カーボジェット®概要フロー
<特徴>
システムの簡略化
独自の吸引機構の採用により、「粉末活性炭の貯蔵場所から注入点への移送」「原水への溶解」「槽内の撹拌」を1台で同時かつ瞬時に行うことが可能となり、従来必要だった溶解装置や移送装置が不要になります。
防塵対策
粉末活性炭の受入から注入まで完全密閉されたシステムを採用しているため、粉塵の飛散を防ぎ、作業環境を改善します。
ハンドリング性の向上
ドライ炭を採用しており、従来方式(ウェット炭/スラリ移送方式)の場合に必要なフレコンバック等の袋を開け、溶解槽に投入する作業が不要です。またドライ炭のまま注入する直接移送方式のため、溶解槽や給水ラインが不要であり容易に運転することが可能です。
自動制御
粉末活性炭の注入量を自動制御することで、高い注入精度を実現しています。また、注入前に粉末活性炭の溶解が不要なため設備立ち上げが早く、大雨や土砂災害等による急激な水質変動に対しても、迅速かつ適切な注入が可能です。
<ご参考>
水ingグループについて
水ing(読み︓すいんぐ)は、「生命の源である『水』を通じていつまでも社会に貢献し続ける『ing』」を経営理念に掲げ、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設等)の設計・建設から運営、維持管理までをトータルに手掛けています(運転・維持管理の拠点は、国内約300か所)。地域の暮らしの課題に目を向け、安全安心な水環境を提供し続けるとともに、循環型社会の実現を目指しています。
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